ジャネの法則

ひよっこ社会人の奮闘日記

あまいしあわせはいま

ありったけの

ありったけの 幸せを

あなたに

 

 ― ハチミツとクローバー

 

原作で、最後の最後に出てくる、

ハチミツとクローバーの、あのシーン。

タイトルにもつながって、

今までの流れがよみがえって、

本当に感動して、最高に好きだった。

 

自分の中の「からっぽの音」に気づいて怯えた竹本も

勝手に好いたり憎んだりする人達が虚しかった森田も

自分の中の神様に感謝と、大きな約束をしたはぐみも

どこか共感できるキャラクターたちのいる

優しい気持ちになれる漫画。

 

自分を振り返ると、子どものころ、

自分の神様に、お願いをしてみたことがあった。

約束みたいなことも心の中で交わした。

それは自分の中では神聖で、大きな約束だった。

 

自分にしかできない誇れるものなんてなくて、

誰かの才能が羨ましいと思う事もあったし、

逆に勝手に人を好いたり嫌ったりする人達が

見ていて理解できなかったりしたこともあって。

 

どうすれば、好きな人に好きになってもらえるのか

そんなこと全然見当つかなかった時期も。

逆に想いを手に入れたときの幸せな時期も。

社会人よりは時間の流れが緩い学生時代までの、

懐かしい思い出がたくさんよみがえる。

 

何かに余裕がなくなると、

他のことへの気持ちも漫ろになって。

色んな、優しさを、見失いそうになる。

 

そういうときには、優しい小説や漫画や音楽を

そっと思い出すと、

いくぶんか、心が解れるようになる。

 

それだけで、何も状況は変わらないのに、

自分を取り戻せている気がする。

そんな常備薬の一つ。

 

夏休みなので。

暑さですぐには眠れぬ夜が続くので。

久しぶりに読了。

ださないなみだはみえないんだ

子どもの時から

泣いたことなんてなかったから

止め方がわからんのだ。

医者なら教えてくれ。

これは、どうやったら止まるのだ。

ー簡単です。

 いっぱい泣けば、止まります。

         『パコと魔法の絵本

 

夏休みなので、レンタルDVDが安い。

1枚70円。

 

ものすごく練り上げて、

ものすごく手間と人と時間を掛けた、

そんな結晶みたいな作品を、

ただの暇つぶしにしてしまうのは、

非常に何だかな気持ちだけれど。

 

映画館で観たときはものすごくぼろぼろと、

そりゃ鼻もずびずびになってしまうほど涙を零した

パコと魔法の絵本』も久しぶりに。

 

途切れ途切れに中断されながら観たせいか、

泣く程までは至らなかったけれど、

やっぱり素敵な映画だなぁと、息をついた。

 

アニメと現実とCGが織りまざる、

何ともシュールな始まりに驚くけれど、

途中で嫌なクソジジィが出てくるけれど、

どんどん中身に引き込まれていき、

個性的なキャストの役柄が面白くて変な設定で、

でも本当に魅力的で。

見終えたときの、何とも言えない素敵な感じ。

笑えるのに感動できる。

懐かしい映画にまた会えました。

きれいなゆうやけのけしきいいな

やさしい心の持主は

いつでもどこでも

われにもあらず受難者となる。

やさしい心に責められながら

娘はどこまでゆけるだろう。

下唇を噛んで

つらい気持ちで

美しい夕焼けも見ないで。

     吉野弘 「夕焼け」

 

がんばったご褒美の「お小遣い」があった。

だからいつかもらえるようになる

「お給料」も、その延長線上にあると思っていた。

 

けれど実際は

頑張ったことや努力の成果が出ることよりも、

苦手なことや我慢することが圧倒的に多くて。

華やかな仕事よりも 雑務やルーティンワークで、

タイムスケジュールは埋まっていって。

 

頑張った自分の仕事に対する「ご褒美」よりも、

望まないことを我慢した事の「慰謝料」だと、

そう思ってしまうようになった。

 

子どものときの、きらきらした未来への期待を、

少しずつ失っている気がする。

もっとやりたいことがあって、色々夢があって、

昔見た未来への道は広かった。

 

出張中に見た、まっすぐな水平線に落ちる橙に光る夕日。

山の裾に落ちる太陽が染める、黄金に輝く一面の田んぼ。

家の中でもオフィスの中でも見られない景色に感動した。

 

もうあの景色は見られなくなるけど、

もっと未来は広くて良いと思う。

かいぞくポケット

 ある夜、ポケットたちは

 目をさましておどろいた。

   空じゅうの星が

 いろんな色にかがやきながら、

ながれ星になってふってきたのだ。

       —ながれ星のひみつ

 

子どもの頃からすでに本は身近なもので、

その中の世界に夢中になった。

わかったさんシリーズ、クレヨン王国シリーズ、

王さまシリーズ、かいぞくポケットも大すきだった。

 

ドキドキするようないろんな出来事や人が

次から次に現れて、

現実では起こりえないちょっと不思議なことだって、

本の中では当たり前で。

 

その、脈絡のないことも筋道のないことも、

起こりえるようなお話の世界が、

少し怖くもあったことを覚えている。

 

今まで経験したことや出会ったもの人が

私に影響を与えて、今の私を形作っているけれど

今まで読んだ作り物の本たちにも、

それらに負けないくらい

強い影響を受けてきた自信がある。

 

現実というわけではないものが

現実の私を形作っているわけです。

そして目に見えるこの本たちが、

目に見えない私の世界を深くしている。

その不思議なところも、面白いと感じる。

 

もうすぐ夏休み。

本が読みたい、という話。

おおかみこどもの雨と雪

カッコつけていたら彼じゃない。

でも

カッコつけてないところが

カッコよくないといけない。

          細田守

 

開始すぐから涙でうるうるしてしまった。

良い映画。

 

花の成長を見守った私たちは

観た後にはどっと疲れた。

泣き疲れたのもあるけれど、

13年間もの長い間の凝縮だもの、

そりゃ疲れるわけだ。

「ほぅっ」とつく溜息は

「観てよかった」という感覚。

 

分厚くて濃い、長い長い物語の読了感に似ている。

シュプレヒコール

右向け右の号令に

デッドエンドの

踏みにじられた正解も

容易く裏切られた情熱も

いよいよすべて はじめましてです

幸せの数え方から もう一度

          RADWIMPS

RADの新曲が心に響く 独白も感動した。
急な環境変化で心に余裕がないこともあり
余計に。

やる気を持って やりたいことを持って、
お粗末ながらも希望だけは大きなキャリア設計図も、
引きずりながらも持って入って

1年頑張って、今
見事に設計図とかけ離れた行き先を指示されて、

迷子。
途方に暮れるしかできない。

やりたいことができなくても
その中で頑張っている人は沢山いるけど。

目の前で見えない大きな扉が閉まった感じが。
今の環境で継続を求められなかった嘆息が。

触れられるだけで。
痛みが押さえきれない。


仕切り直して、これからを考えて、
もう一度自分の設計図を考えないといけない。

name:NAO -from 2012-08-05-