ジャネの法則

ひよっこ社会人の奮闘日記

あまいしあわせはいま

ありったけの

ありったけの 幸せを

あなたに

 

 ― ハチミツとクローバー

 

原作で、最後の最後に出てくる、

ハチミツとクローバーの、あのシーン。

タイトルにもつながって、

今までの流れがよみがえって、

本当に感動して、最高に好きだった。

 

自分の中の「からっぽの音」に気づいて怯えた竹本も

勝手に好いたり憎んだりする人達が虚しかった森田も

自分の中の神様に感謝と、大きな約束をしたはぐみも

どこか共感できるキャラクターたちのいる

優しい気持ちになれる漫画。

 

自分を振り返ると、子どものころ、

自分の神様に、お願いをしてみたことがあった。

約束みたいなことも心の中で交わした。

それは自分の中では神聖で、大きな約束だった。

 

自分にしかできない誇れるものなんてなくて、

誰かの才能が羨ましいと思う事もあったし、

逆に勝手に人を好いたり嫌ったりする人達が

見ていて理解できなかったりしたこともあって。

 

どうすれば、好きな人に好きになってもらえるのか

そんなこと全然見当つかなかった時期も。

逆に想いを手に入れたときの幸せな時期も。

社会人よりは時間の流れが緩い学生時代までの、

懐かしい思い出がたくさんよみがえる。

 

何かに余裕がなくなると、

他のことへの気持ちも漫ろになって。

色んな、優しさを、見失いそうになる。

 

そういうときには、優しい小説や漫画や音楽を

そっと思い出すと、

いくぶんか、心が解れるようになる。

 

それだけで、何も状況は変わらないのに、

自分を取り戻せている気がする。

そんな常備薬の一つ。

 

夏休みなので。

暑さですぐには眠れぬ夜が続くので。

久しぶりに読了。

name:NAO -from 2012-08-05-